刑事事件の拘留と勾留の違いについて

拘留の定義

キーボード上に集まる刑事事件弁護士たち刑事事件用語の1つに拘留というものがあります。
これは、刑法9条に規定されている主刑の一種です。
具体的には、1日以上30日未満の間、法律で定められている刑事施設に身柄を拘置されることになります。
ただし、現実的なことを考えると、この刑が適用されているケースは滅多にありません。
懲役刑や禁固刑と同じ自由刑の一種である点では変わりがないのですが、この刑が適用される犯罪行為が公判廷で争われることになるケース自体が少ないため、拘留が執行される件数も必然的に少なくなっています。

拘留は刑事罰です

 具体的な例をあげると、刑法174条の公然わいせつ罪、刑法208条の暴行罪、刑法231条の侮辱罪などを犯した場合には、この刑が適用されます。
ただし、これらの犯罪行為が実際に起訴されて公判廷で裁きを受けるようになるケースは非常に稀です。
多くの場合不起訴処分にされていますので、刑が執行されることがまずありません。

科刑の代わりとしての拘留があります

ただし、軽犯罪法違反を犯した場合の科料の選択刑としてこの刑の執行を受ける人がたまにいます。
簡単に言うと、科料を支払うだけの経済的余裕がない人が、科料を支払う代わりに身柄の拘束を受けるという方法を選べるようになっているのです。
決められた日数を刑事施設で過ごすだけで科料の支払いを免れることができるため、お金を持っていない人がこの刑を選ぶケースが多いです。

勾留は一時的に留め置くこと

 ちなみに、拘留のことを勾留と混同している人がよくいますが、勾留は全く別の種類のものです。
簡単に言ってしまうと、勾留は刑法上の刑ではありません。
犯罪の被疑者が罪証隠滅を図ったり逃亡してしまったりすることを防ぐために行う一時的な身柄拘束のことを勾留と言います。
したがって、警察署で勾留されただけで前科がつくようなことはありません。