刑事事件の取り調べの違いについて

取り調べには2つの方法があります

万年筆と刑事事件弁護士たち刑事事件の取り調べと聞くと、警察署の留置所や拘置所に身柄を拘束されて行われるものと思い込んでいる人が少なくありません。
しかし、現実的なことを考えると、身体の自由を完全に奪われた状態で取り調べを受けているケースは、刑事事件全体の30%程度に過ぎません。
それ以外のケースでは、被疑者が通常通りの生活を送りながら、必要に応じて警察に出頭したりする形が取られています。

身柄事件と在宅事件

被疑者の身体を拘束した上で捜査する事件のことを身柄事件と呼びます。
一方、被疑者の身体の自由が奪われない形で捜査が進められる事件の方は在宅事件と呼ばれています。
しかし、両者の間には、身柄が拘束されているかどうかという違いしかなく、刑事事件としての手続上の違いは一切ありません。

証拠隠滅の可能性があれば身柄事件となります

 ごく大雑把なことを言ってしまうと、罪状が比較的軽微な場合は、在宅事件として取り扱われることが多いです。
そもそも人が自由に行動する権利は憲法が保障する基本的人権の一種ですので、その自由を制限する場合は、そうせざるを得ない合理的な理由の存在が求められることになります。
つまり、身柄事件として扱うためには、そうしないと被疑者が証拠隠滅を図ったり逃亡したりする蓋然性が高いことが必要になるのです。
身柄をわざわざ拘束しなくても逃げたり証拠隠滅を図ったりする心配のない人を拘留してしまうと、公判の際に捜査の違法性を問題にされてしまう可能性が出てきます。
そのため、本来的には被疑者在宅の状態で捜査が進められるのが原則になっています。

在宅事件にもデメリットがあります

 一見すると、身柄事件よりも在宅事件の方が被疑者にとって有利であるかのような印象を受けますが、必ずしもそうではありません。
在宅事件の場合は、身柄事件のような法定の拘束期間の縛りを受けませんので、事件が長期化するおそれがあります。
また、国選弁護人を利用することができないというデメリットもあります。